「...Living Well Is The Best Revenge」

...いやぁ、マジで疲れた。
John Irvingの長編、『Avenue of Mysteries』を
やっとのことで読み終えたのだが、う~ん、ハッキリ言ってしまうと、
どうにもその世界にのめり込めないまま結末を迎えた一冊であった。
いくら読んでいても、こちらの気分が高揚してこないと、
ちっともページが進まなくて、丸々4ヶ月くらいかかってしまった。
ましてや、前作の『In One Person』(2012年)、
その前の『Last Night in Twisted River』(2009年)と、
どちらもかなりの力作で、自分としては高く評価していただけに、
今回は肩透かしを食わされたというか、
「あれれ...」という感じのまま終わってしまい、なんとも残念だ。

物語の舞台設定(メキシコ、フィリピン等)もあってか、
カトリック教徒、というかキリスト教徒でない自分には
どうしてもピンとこない部分があるとは思うのだけど、
主人公はおろか、どの登場人物にも共感できなかった(!)
というのが、最大の難点だったかもしれない。
Irvingがこれまで書いてきた小説と共通するテーマやキャラクターは
これでもかというくらい登場するのに、なぜか今回は響いてこない。
著者よりも読み手(自分)に問題があったのだろう。

それでも、実に印象的な場面がひとつだけあった。
主人公がかつてのいじめっ子にレストランで再会し、
(ロクでもない大人・父親になっていた)ヤツの子供たちの前で
きわめて冷静に、しかし強烈なリベンジを果たすという、
いじめに苦しんだ過去を持つ者であれば、
まさしく快哉を叫びたくなるようなものだ。
その前後に繰り広げられる悲痛な描写とも重なり合い、
「Chapter 25 -- Act 5, Scene 3」は最も感動的な一章だった。

...「リベンジ」というと、ついつい思い出してしまうのが、これ。

*今日の一曲:
 『Living Well Is The Best Revenge』
 by R.E.M. (2008)


 All your sad and lost apostles
 Hum my name and flare their nostrils
 Choking on the bones you toss to them
 Well I'm not one to sit and spin
 Cause living well‘s the best revenge
 Baby, I am calling you on that

この曲で幕を開けるR.E.M.のアルバム『Accelerate』は、
当時の米国ブッシュ政権に対する怒りが爆発した、
かなり激しい作品だった。
もし彼らが解散してなかったら、現トランプ政権、
...というか、米国社会や世界が置かれた現状に
どれほど辛辣な言葉を浴びせていたことだろう。
巷で噂されるMichael Stipeのソロ作が楽しみだ。

ところで、John Irvingの生年月日は、
あのLou Reedとまったく同じ1942年3月2日である。
最近まで知らなかったのだけど。
残念なことに、Louはあの世に旅立ってしまったが、
Irvingにはもう少し頑張って長生きしてもらい、
また読み手を打ちのめすような小説を書いてくれると
ひとりのファンとしては期待していたい。

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